小型移動式クレーン車シミュレーター

操作

B

体験シナリオ

天候(風・雨)

風雨なし。

フックを荷に近づけてください
L
R
0%
L
R
0m
L
R
0°
L
R
0°
全張り
2x
吊荷
0 kg
ワイヤー張力
0.0 kN
安定余裕
100%
フック高さ
2.06 m
作業半径
2.52 m
定格荷重
3.14 t
荷重モーメント
0.0 kNm
許容モーメント
77.8 kNm
過負荷
いいえ
使用率
0.0%
リスクレベル
作業区分
側方
風速(瞬間)
0.0 m/s
10分間平均
0 m/s(中止基準 10
安全アドバイス
警告はありません。通常運転を継続できます。

移動式クレーン安全シミュレーターについて

このページは、小型移動式クレーン(2tクラス積載形クレーン・3段ブーム)の荷降ろし・荷揚げ作業を ブラウザ上で疑似体験できる、無料の3D安全教育シミュレーターです。インストールや会員登録は不要で、 スマートフォンでも動作します。旋回・起伏・伸縮・巻上げの4軸を実機と同じレバー配置で操作しながら、 定格荷重と作業半径の関係、アウトリガーの張り出し幅、架空線との離隔距離といった 「数字で決まっている安全」を、画面の計器と現場の見え方の両方で確かめられます。 正しい手順を通す練習だけでなく、転倒・ワイヤー断線・荷暴れ・感電といった 「やってはいけない操作の結末」を、実機では絶対に試せない形で観察できるのが特徴です。 玉掛け合図者が次の操作と残り距離・角度を先読みで指示するため、はじめてでも手順に迷いません。

6つの体験シナリオと、それぞれの狙い

シナリオは「正しく運ぶ」3つと「危険を見る」3つで構成しています。 危険シナリオは自動操作で再現されるので、レバー操作に慣れていなくても事象そのものを観察できます。

  1. 1.荷降ろし作業

    トラックの荷台から H 形鋼を吊り上げ、荷降ろし場に降ろします。

    狙い: 合図者の手合図と操作レバーの対応づけを覚え、フックを荷の真上に合わせてから巻き下げるという基本の順序を身につけます。

  2. 2.ビル屋上への荷揚げ

    2階建てビルの屋上に太陽光パネルを荷揚げします。高所への設置では、十分な巻き上げと慎重な旋回が必要です。

    狙い: 荷を障害物より高く巻き上げてから旋回する、という高所への荷揚げの原則を体験します。ブームが届く高さと作業半径の兼ね合いも確認できます。

  3. 3.架空線のそばでの荷降ろし

    現場の道路側を高圧配電線(6,600V)が横断しています。電力会社の防護管は装着済みですが、それでも接触すれば感電します。離隔距離を保ったまま資材を降ろしてください。

    狙い: 架空線のそばでは、ブームを起こして作業半径を詰めることが離隔の確保につながると理解します。防護管があっても接触は感電であることを確認します。

  4. 4.転倒を体験

    アウトリガー最小張り出し+LMI 解除の状態で、大半径の重量物(コンクリートブロック 2.8t)を吊るとどうなるか体験します。

    狙い: 定格荷重を超えた吊り上げが「じわじわ傾く」のではなく、安定余裕を失った瞬間に一気に転倒することを、安全な場所で目に焼き付けます。

  5. 5.ワイヤー断を体験

    老朽化したワイヤー(強度 35%)で 2.8t のコンクリートブロックを 1 本掛けで吊るとどうなるか体験します。

    狙い: 玉掛け用ワイヤーの劣化と掛け本数が破断荷重に直結すること、切れた荷が真下に落ちることを確認します。

  6. 6.荷暴れを体験

    長いロープで吊った荷を急旋回・急停止させると、荷が大きく振れ回る「荷暴れ」を体験します。

    狙い: 急旋回・急停止が荷を振り回すこと、振れは操作をやめても続くことを体感し、ゆっくり動かす理由を理解します。

定格荷重と作業半径の関係

移動式クレーンで最初に理解すべき数字が、作業半径と定格荷重の関係です。 作業半径とは旋回中心からフック(吊り荷の重心)までの水平距離のことで、 ブームを伸ばすほど、また倒す(伏せる)ほど大きくなります。 クレーンが耐えられるのは重さそのものではなく「荷重 × 作業半径」の転倒モーメントなので、 作業半径が大きくなると吊り上げられる荷はきわめて急速に小さくなります。 カタログ上の「2t吊り」は最小半径での値であり、現場で使う半径での値ではありません。

また、フックやワイヤーを含めた総重量が定格総荷重、 そこから吊り具の質量を差し引いた実際に吊れる荷の重さが定格荷重です。 このシミュレーターの既定機(2tクラス)の定格総荷重は次のとおりで、 過負荷防止装置(LMI)はこの表を基準に警報と自動停止を行います。

2tクラス積載形クレーン(3段ブーム)・アウトリガー最大張り出し時の定格総荷重
作業半径定格総荷重
2.0 m3.3 t
3.0 m3.0 t
4.0 m2.2 t
5.0 m1.6 t
6.0 m1.1 t
7.5 m0.6 t

半径 2.0 m で 3.3 t 吊れる機械が、 半径 7.5 m では 0.6 t までしか吊れません。 「転倒を体験」シナリオで起きているのは、まさにこの差を無視した吊り上げです。

さらに、アウトリガーの張り出し幅が支持基盤の広さを決めます。 張り出しが足りないと、同じ半径・同じ荷でも安定余裕が一気に失われます。

アウトリガー張り出し幅と吊り上げ能力の目安(最大張り出しを 1.00 とした比率)
張り出し支持幅能力比
最大張り出し3.4 m1.00
中間張り出し2.7 m0.85
最小張り出し2.0 m0.60

定格荷重と作業半径の読み方については、開発元の解説記事 定格荷重と作業半径の関係(BenriWorks 開発ブログ) でも、定格総荷重表の見方とあわせて詳しく説明しています。

転倒・ワイヤー断線・感電はどう起きるか

転倒は、荷重 × 作業半径の転倒モーメントが アウトリガーで囲まれた支持基盤の抵抗を上回った瞬間に起こります。 シミュレーターは4本のアウトリガー位置から支持多角形を作り、車体・ブーム・荷の重心から 安定余裕をリアルタイムに計算しているため、余裕がゼロに近づく過程を数値で追えます。

ワイヤー断線は、玉掛け用ワイヤーの張力が 破断荷重を超えると発生します。掛け本数(1本掛けか2本掛けか)と、 劣化による強度低下がそのまま張力の余裕を削ります。切れた荷は真下へ落ちるため、 荷の下に人が入らない立入禁止の徹底が不可欠です。

感電は、ブームやワイヤーが架空電線に近づいた時点で 危険が始まります。高圧配電線(6,600V)では接近限界 1.2 m、推奨離隔は 2.0 m です。 電力会社の防護管が装着されていても接触してよいわけではなく、離隔距離の判定を緩めてはいけません。 荷を吊ったままブームを伸ばす・伏せる操作は作業半径と同時に電線への距離も変えるため、 架空線のそばでは「起こして半径を詰めてから旋回する」のが基本になります。

対象者と所要時間

対象者
玉掛け・移動式クレーン作業に就く新人作業者、小型移動式クレーン運転技能講習や 玉掛け技能講習の予習・復習をしたい方、現場の KY 活動(危険予知活動)や 安全朝礼で危険の見える化に使いたい安全衛生担当者。
所要時間
1シナリオあたり約5〜15分。危険シナリオ(転倒・ワイヤー断・荷暴れ)は約1分で結末まで到達します。
動作環境
WebGL が動作するモダンブラウザ。PC はマウス、スマートフォン・タブレットはタッチで操作できます。

免責事項

本シミュレーターは安全教育を目的とした学習ツールであり、資格教育の代替ではありません。 機体の諸元・定格総荷重・挙動は教材として単純化しており、特定の実機の性能を保証するものではありません。 実際の移動式クレーンの運転・玉掛け作業には、法令に基づく資格・特別教育 (小型移動式クレーン運転技能講習、玉掛け技能講習など)が必要です。 実作業では対象車両の取扱説明書、定格総荷重表、および現場のルールを必ず優先してください。